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国民の多くが花粉症で悩んでいます。
春を中心に、症状が重い方は年中苦しむ病気となっております。
この花粉症を治す方法は限られており難しいですが、症状を軽減することは比較的簡単にできます。
ぜひ、お読みいただき、実践いただけると幸いです。

 



①花粉症って何なの?
花粉症とは、植物の花粉がアレルギーの原因となって、鼻や目などの粘膜に炎症を起こす病気です。
花粉の種類や飛散時期によって、症状が出る季節が異なります。
日本では、スギやヒノキの花粉が最も多くの人に影響を与えています。
花粉症の治療は、投薬などにより症状を抑える治療が多く行われています。
完治を目指すならアレルゲン免疫療法があります。
これらは副作用が出たり、保険適用のアレルギー物質・方法に制限があったり、治療期間が長期間(3年以上)になる等、治療に踏み出すハードルは高い状況です。

 
②みんなの花粉症事情は?
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した2023年の調査によると、花粉症の人は全体の42.6%を占めます。
2人に1人近い割合で花粉症を自覚している事になります。
花粉症にまつわる気持ちや行動”のアンケートでは「花粉症の時期が来ると憂鬱」が最多で43.4%になっています。

 
また、”花粉症対策で現在取り組んでいる、または過去に取り組んでいたこと”では「市販薬を飲む」が28.1%、「医師からの処方薬を飲む」が25.0%となり、全体を通して症状を抑える対策をしている事が分かりました。 続いて、”花粉症でこれから取り組みたいこと”は「乳酸菌を意識的に摂取する」が19.2%となりました。
一部の乳酸菌が花粉症の症状を改善されると言う結果も出ている様です。
10位にアレルゲン免疫療法が入っている事も見逃せません。
完治させたいと願っている人が一定数いることが分かります。
 
③花粉症対策はどうすれば良いの?
花粉症がある方はまず、お医者さんに相談する事をおすすめします。
それ以外にも生活の中でできる対策はあります。
花粉を体内に取り込まないためにどうするかという考えになります。

■花粉症対策用のマスク・メガネの着用
花粉症対策用のマスク・メガネが売られています。
目や鼻・口から花粉を取り込む量を低減する効果があります。
マスクについてはご自身に合ったサイズで、隙間のできない装着をすることが大事です。

■服装を自然素材にする
ナイロンなどの人工素材は静電気が起こりやすく、その静電気で花粉の付着量が多くなります。
静電気が起きにくい綿・絹などの自然素材は、花粉の付着量も少なくなります。

■免疫力を高める
免疫力を高める事で花粉症の症状軽減を期待できます。
バランスの良い食事や良質な睡眠などで高めることができます。

■家に入る前に花粉をはらう
家に花粉を入れることは避けた方がいいでしょう。
帰宅時は服・髪の毛についた花粉をはらい、家に花粉を持ち込まないようにしましょう。

■帰宅したら顔・手などを洗う
花粉は顔や手などにも付着します。
帰宅後は速やかに顔・手など肌が露出している部分を洗い、家への持ち込みを防ぎましょう。

■換気を最低限に
空気の入替えのために換気をすることが多いかと思います。
その際に花粉も室内に入ってきてしまいます。
花粉症の方がいる家庭では換気は最小限にして、花粉飛散量の少ない朝に行う方がいいでしょう。
また、換気時にレースカーテンを用いると、入り込み花粉量を抑えながら、換気ができます。

■加湿器・空気洗浄機を使う/モップ・雑巾がけ
花粉対策に加湿器は有効です。
空気中を漂う花粉が水分を含むことで重くなり、床に落ちます。
床に落ちることで吸い込む花粉量も少なくなります。
また、床に落ちた花粉を拭き取るには雑巾が一番効果的です。
現在は水拭きモップや水拭きできる掃除機も出ているので、こちらを使う方が楽でしょう。
空気清浄機も花粉に対応しているものがあります。
そちらの使用も有用ですが、加湿器との併用でより効果が得られます。

 
④家づくりでできる花粉症対策は?
■花粉を持ち込まない玄関を作る
家に入る前に衣服の花粉を払っても完全に落とすことはできません。
玄関近くにシューズクロークがあれば、コートや帽子などをかけておくことができます。
外で払いきれなかった花粉を生活空間に持ち込まずに済みます。

■玄関手洗い場を設ける
手洗い場が玄関近くにあると便利です。
外出中に顔や手についた花粉を帰宅後すぐに洗い流すことができます。
近年では新型コロナウイルス対策の一環として設けることが増えています。

■室内干しスペースを用意する
ランドリールームやサンルームなど、室内干しができる空間があると花粉の影響を受けません。
天候の影響も受けずに済むため、花粉対策以外にもメリットが多い空間です。

■花粉対策レースカーテンの設置
最近では花粉対策のされたレースカーテンも販売されて、一定の効果をあげています。
一方で、最近の家ではレースカーテンを採用しない家も増えています。
※採用をしてもリビングだけという家も多いです。
換気する部屋ではレース用のカーテンレールを設置してほしい等、住宅メーカーに伝えておきましょう。

■掃除がしやすいフローリング
花粉自体がほこりなどと比べて重いため、約1時間の浮遊の後、床に落ちます。
畳やカーペットだと花粉が付着しやすく、掃除をしても除去しずらいというデメリットがあります。
花粉対策という観点ではフローリングがおすすめとなります。

 
⑤最後に
花粉症の人は年々増えています。
ご家族に重度症状の方がいれば積極的に取り入れていただけたらと思います。
花粉症の症状自体は鼻水・くしゃみだけと思われがちですが、ずっと倦怠感が続いて心身ともにダメージを負ってしまいます。
突然、発症する病気ですので、快適に住み続ける家の実現に一つのヒントとなれれば幸いです。